
このバーの一番の特徴は、ポジションの幅が広くて、何通りものセットアップが試せるところ。自分の体と相談しながら、“今の自分に合ったフォーム”を模索するには、これ以上ない選択肢だと思ってる。初めて手にしたときは、正直そこまで深く考えていなかった。でも、使えば使うほど、このバーの奥深さと可能性に引き込まれていった。
これを乗りこなせるようになると、「次は一体型エアロバーに挑戦したい」「もっと攻めたブレードタイプにしてみたい」と、自然とステップアップしたくなる。形状だけじゃなく、自分自身の意識も引き上げてくれる、そんなDHバー。
TTバイクのフィッティングでは、実際に4〜5種類を試した。その中でも、ライダーの多くが「これ、扱いやすいね」と言ってくれた。フォームの自由度、微調整のしやすさ、握りやすさ。どれを取ってもバランスが良く、万人にフィットする形だと感じた。
最初は、DHバーの角度を8度にしていた。そこから、ポジションが安定して、フォームが固まり始めたころ、思いきって15度まで上げた。頭をしっかり下げて、空気を切り裂くような姿勢が取れるようになってきたからだ。
気づいたのは、肩の柔軟性と筋力が整ってくると、フォームの選択肢が一気に広がるということ。ある意味、癖のあるフォームにも見えるかもしれないけれど、自分にとっては「速くて、楽な形」がそこにあった。
トライアスロンのフォームで悩んでいる人には、リトゥールでの3Dデータ測定を強く勧めたい。数字として見えることで、今の自分の姿勢や改善点が明確になるし、そこにコーチングが加わると、ポジション作りの精度が格段に上がる。
今回の台湾への挑戦で、身をもって実感したのは「アイアンマンのためのポジション作り」の重要性。バイクだけでは終わらない。最終的には、バイクから降りたあと、どれだけ脚を残せているか。ランで踏ん張れるか。そこまで含めての“ポジショニング”なんだと。
だからこそ、しっくりこないフォームに悩んでいる人には、三ツ星フィットで得たノウハウをぜひ届けたい。フォームで悩んでる時間を、自信に変える時間にしてもらいたい。
僕が台湾で汗を流している間に、4月の予約が満員になっていたら…それは何より嬉しい知らせ。誰かが自分のポジションを変えるきっかけになってくれていたら、それ以上の喜びはない。