ハイドレーションについては、本当はじっくり語りたいくらい大事なポイント。水分補給を甘く見ると、レースは確実に崩れる。今回は、その重要性を実感しながら、自分なりのベストなスタイルを組み上げた。

まず、DHバーにはオーソドックスな砲弾型のボトルをセット。これは手元で素早く飲めるので、補給のリズムを崩さないために欠かせない。そして、フレームのダウンチューブには、1Lのビックボトルを搭載した。1Lに560Kcalドリンクを溶かし込み、バイクには合計2リットルを準備した。サドルん後ろには水ボトルを1本搭載して、口の中をゆすいだり、指を清掃したり、掛水目的にしようしてエイドごとに乗りながらチャージする予定。

でも、これで終わりじゃない。バイクパートでは4リットル飲む計画。2リットルを飲み切ったタイミングで一度ストップし、自分で粉を溶かして、同じドリンクをもう一度作る。これが後半のランパートに向けた重要なルーティンの戦略。ドリンクは、ビッグボトルが可愛いprecisionをチョイス。見た目にテンションが上がるのも、ロングレースでは意外と大事なモチベーションだと思っている。

今回の台湾は、残念ながら雨予報(バイクの準備の時の天気予報)。だから、暑さ対策の“かけ水”は必要なさそうだ。でも、そこで終わらないのがロングの怖さ。そのつもりで準備するぐらいが自然相手のレースの醍醐味。

ここも実は重要なポイントで、大きなボトルを使うと走行中に飛んでいってしまうことがある。これも、何度も実験して得た教訓だ。見た目だけで選んで痛い目を見たからこそ、自信を持って言える。こういう細かい準備が、最終的に安心感に繋がるはず。

ハイドレーションは「ただ水を運ぶ」だけじゃない。バイクパートのどこで、どれだけ、どう飲むかを最後のゴールゲートをくぐるまで周到に考えて、ようやく完成するものだと思う。走りながら焦らずに補給できる環境を作ることが、ロングレースを最後まで戦い抜くカギになるはずだ。

サドルの後ろにはボトルは1本〜2本まで。ビックボトルは振動や段差で落下します。