三ツ星のフィッティングは何をしているのか?ご興味がある方のために、「学び」というキーワードで話していきたいとおもいます。フィッティングを通じてライドを俯瞰してとらえ、自転車を楽しく過ごすきっかけになれば幸いです。フィッティングでは、

ライダーを知る工程とライダーが考える工程があります。

フィッティングは上の2工程を経て最終的にポジションが出来上がります。ライダーの体に自転車を合わせるサービスがフィッティングなのですが、ポジションを自分で決めないといけなくて、決めることができない状態に陥ります。決めることができていれば、すでにフィッティングのサービスは受けてないはずですよね。

多分どこのフィットも同じだと思いますが、フィッティングの流れを紹介すると、インタビュー、カウンセリング、身体測定、パーツ選び、ポジション調整と判断、総括となります。シンプルにまとめると、サドルの位置を決め、ブラケットの位置を決め、ペダルの回転に合わせたアライメント調整の3工程のバランスを整えていきます。

フィッティングのサービス中は、一連の流れをその場でわかる範囲で学び、自分の理解度の中で選んでいくことが本質的だったりします。ベストポジションとはフィッターは分からないもので、ライダーさんが気付いた状態にあることがベストなポジションといえます。

自分の感覚にバイクが適用して納得している状態

インタビューでは、自分のことを他人に話し、何が困っているのかをまとめていきます。今の悩みはフィットで解決できるのか、成長したいのか、現状維持なのか、別の方法があるのかを考えるはずです。

なりたい自分にフィットを通じて歩き始めている状態は、「乗れている」感覚なのではないでしょうか。気持ちが乗っている状態はきっとたのしいはず。気持ちの大きさやイメージに体がついてこない場合がるので、体の動く範囲を把握する必要があります。

体の柔軟性や動きの癖は他人にみてもらわないと正しく判断できません。むしろ無意識的に出てしまう動きが自分自身だからです。バランス感が良いのか、人前でよりよく見せてしまうのかなど、フィッティングの時にポジションを自分で決めていくときの根拠になってきます。フィッターの僕は、全てを記録して洞察してライダーさんを知ることにポイントを絞っています。人となりと体の状態がわかると、バイクを体に合わせていく工程に入ります。

ライダーさんのフィットの目的は多岐に渡りますが、現状維持、変化を探求、基準を作るが大半のリクエストとなります。自転車の上でこれらのことを感じるはずですが、「一定」がポイントになると考えています。比較、傾向、割合のような見方がやりやすいのでライダーさんが選べる、判断できる、納得できるために対話の切り口を変えていきます。落ち着いている状態が大切だとおもうので、最後は落ち着いている状態を振り返り、一連のフィッティングが終了になります。

ライダーに必要なトレーニングは、3時間ほど過ごすことで何をやれば良いのか見えてくるはずです。次にやりたいのは、走ることと、繰り返し行うテーマや内容だとおもいます。ここを一緒に考えられると、さらに自転車が楽しくなるのではないでしょうか。