道具を扱うスポーツでは、セオリー(スキル)があって長い歴史で培われてきた先人たちのノウハウが詰まっています。数あるスポーツのなかから自転車を選んだあなたに、僕なりの考えが詰まったグリップ(握り方)をお伝えします。
道具を扱うスポーツでは当たり前のように、初歩の段階で「グリップ」を習うはずですが、こと自転車では語られずフィッティングの時には、グリップの方法のコーチングを行うことも少なくありません。正しく握れないとサドル〜グリップまでの距離感がバラバラで再現性が低く、フィッティングで作ったポジションの違和感がきえません。
自転車ではグリップに始まり、座ることを感じ、足を回す動き
が自然と作られます。グリップは、ライダーが自分の目で見て、コントロールできる唯一の「型」でもあり、真似をすれば良いのです。奥が深いですが、是非とも身に付けたいグリップについて紹介したいと思います。
グリップは安全であること
ブラケットに中指か人差し指を引っ掛け、写真のようにブラケットの上に乗せます。コップを「トン」と置くように、短掌筋をブラケット押し付け、バイクに対して真下に力がかかるようにします。結果、路面の振動を押さえつけることができます。ダンシング〜シッティングなどのポジションの変更にも対応しやすく、手の握り換えが少なく安全に走ることができます。
機能的なグリップであること
体や手首の構造を踏まえると、「とうくつ」「しゃっくつ」「回外」「回内」ができて、ニュートラルポジションを含むと、6パターンの動かし方ができます。あなたは、グリップのマネジメントできていますか?手を乗せるだけになっていませんか?バイクとの接点部分をしっかり固定できると、再現性がよく練習の質が上がり、成果が出やすいのです。フィッティング では、手首に怪我や後遺症がない場合は、それぞれの動きができるかチェックして自然なハンドルの幅を提案します。
シンプルな握り方であること
ロングライドに行くと、当然ですが気をつけることや面倒なことをやらなくなります。その反対にシンプルで握りやすいから、疲れていても、路面の凹凸があっても、高いスピードで爆走していても、必要な分だけ力をバイクにかけることが何度も同じようにできるのです。
スポーツの中で最も長い時間フィットネスが行える一方で、体への負担も計り知れないサイクルスポーツですが、自然なグリップを身につけ、ポジションをより簡単にして快適なライディングを楽しんでもらいたい。手首の使い方は上半身、足首の角度と連動しているので、バラバラではなく関連性をもたらす事がコツです。